この記事は12/24のAnotherVisionCountdownCalender(AVCC)の企画の記事です。
0.はじめに
はじめまして、AnotherVision7期のタコワサビと申します。
まずはじめに簡単な自己紹介を。
名前 タコワサビ(7期)
X(旧:Twitter) @zeraora_blue
「AnotherVisionArcade」制作総指揮
AnotherVision-unlimited-Nova「Dr.ロウのありえない発明品」制作指揮
アナビに入って5年目ですが、現在7期でAVCCを書く予定なのが僕だけで、まあそうなってくるよなぁという感じです。制作にももう直接かかわることはないかなと思っています*1。
さて、もともとこのAVCCの記事で書こうと思ってたことがあったのですが、よくよく考えるとAVCCにふさわしくない(ネガティブな)文章になりそうだと思ったので、やめました。
その代わりに僕の専門分野*2の話でも書こうと思ったのですが、それも難しくなりそうだし、興味を持ってもらえなさそうだからふさわしくないな…と。
いろいろ話題を探していた結果、僕がずっとしてきた「自炊」の話をしよう!と思い立ちました。
みなさん、自炊してますか?
僕は料理が割と好きで、自炊歴としては6年目になります(もちろん毎日しているわけではないですが)。
自炊は実家暮らしだとなかなかしないかもしれませんが、一人暮らしをしている人であれば、「いつもしてるよ!」「一時期してたけどもうしてないなぁ」「たまにするよ」など、様々な人がいると思います。
この記事は、「一時期してたけどもうしてない」「これから自炊するぞ」という人をターゲットにしたものとなります。
自炊は食費も抑えられるし、栄養も取れるので一人暮らしをしている人にはもってこいだと思うのですが、「時間がない」「面倒だ」という理由でやらなくなる人が多いイメージがあります。
この記事では僕がいつも何を考えて(例えば、冷蔵庫にあの食材残ってるけど何作ろうかな~とか)料理しているのか、どのレベルの自炊をしているのかを伝えられればと思います。「これならできそう」なんて思ってもらえればうれしいです。
Cookbook 【名】料理の本。詳しい説明書。<米学生俗>化学実験マニュアル。
注)料理について素人の僕が自炊について考えていることを書いているだけなので、参考程度に考えてもらえるとよいです。ガチの手の込んだ料理を作るときはそういう人の記事なりレシピなりを見ればよいと思います。
1.「おいしい」を作るために
皆さんがおいしいものを食べた時に、「なぜこれがおいしいと感じるのか」と考えたことがありますか?
いや、おいしいものを食べた時にこんなこと考えるのはキモいのでやめておきましょう。
しかし、おいしい料理を作ろうとなったときには考えるべきです。
(ここから一部食化学になるので、そういうの好きじゃない!結論だけ知りたい!って人は1-1、1-2の各章の最後までスクロールしてください。)
料理をおいしいと感じるのは「味」と「香り」に要因があります。まずはこの「味」の方に着目します。
1-1.味について
味には甘味、酸味、塩味、苦味、旨味の5つがあり、これを舌が感じることで脳が味を認知します。おいしい料理を考えるにあたって、まずは「旨味」について詳しく考えてみましょう。
旨味成分としてはグルタミン酸などのアミノ酸系、イノシン酸・グアニル酸などの核酸系、その他有機酸系*3があります。
舌には味細胞という味を感じる細胞があり、その細胞表面には、グルタミン酸と結合するT1R1受容体とT1R3受容体という2つのタンパク質が組み合わさった複合体(以下旨味受容体と表記)が存在します。
このタンパク質にグルタミン酸が結合することで細胞が活性化し、シグナルを脳に伝えて「旨味が来た!」という電気信号を送るわけです。
しかし、ずっと味が残っているのもよくないです。味覚はもともと防衛機構の一種なので(要出典)、前の味が残っていると次の味がわからなくなって困りますよね。
そのため、グルタミン酸は食べ物を食べてしばらくすると*4旨味受容体と離れ、活性化しなくなります。
ではこの原理を理解したうえで、よりおいしく感じるにはどうすればよいでしょうか。
簡単に思いつくのは「グルタミン酸の濃度を上昇させる」だと思います。
要は味の素*5をぶっかければいいわけです。
ただ、それでは限界がありますし、実際かければかけるだけめちゃくちゃうまくなるのかというと思ったほどではありません。
なぜかというと、旨味受容体の数には限界があるからです。いくらグルタミン酸側が多くても受容体側は増えないので脳に送られるシグナルの強度は変わりません。
では他にどうすればよいかというと「グルタミン酸と旨味受容体との解離を遅らせる」ということができます。
解離を遅らせることで長時間結合するため、強い旨味信号を脳に送ることができます。これ、実は「旨味の相乗効果」と呼ばれるものです。知ってる人も多いのではないでしょうか。
イノシン酸やグアニル酸はグルタミン酸と旨味受容体との解離を遅らせることができる物質です。しかし、その方法は実は違います。
旨味受容体がグアニル酸と結合することで、旨味受容体が変形し、よりグルタミン酸と結合しやすい形になる。ここにグルタミン酸が結合することで離れにくくなる。生物習ったことある人なら正のアロステリック制御と聞けばわかるかもしれない。
ということで、旨味を強く感じさせるためには、グルタミン酸×イノシン酸もしくはグルタミン酸×グアニル酸の組み合わせが良いことがわかりました。
余談ですが、この機構を考える限り、グルタミン酸×イノシン酸×グアニル酸のような3つの旨味成分の相乗効果はあんまり期待できないのではないかと考えています。グアニル酸で構造が変化した旨味受容体にグルタミン酸が結合したとして、その変形した状態でイノシン酸が「フタ」として機能するのかがわからないからです。実際にタンパク質を発現させてみて実験してみたいですね。
さらに余談ですが、ヒトの旨味受容体はグルタミン酸に対して特異的にシグナル活性を示しますが、これは霊長類にみられる特長らしいです。ほかの生き物の受容体だとグルタミン酸以外のアミノ酸のほうが親和性が高い事例があるらしいので、霊長類以外の他の生き物がおいしいと感じるものは我々と全く違うかもしれません。
さらにさらに余談ですが、旨味受容体の構造はまだよくわかってないみたいです。T1R1、T1R2、T1R3という3つの受容体が旨味や甘味分子と結合するタンパク質として知られていますが、そのなかで構造がわかっているのはT1R2とT1R3の複合体のみでした。
では旨味について理解できたので次に五味に戻って考えましょう。
実は旨味だけではヒトはおいしいと感じられないんですね。味の素のホームページのQ&Aには次のような記述があります。
Q.「うま味」と「うまい!」は違うの?
A.「うま味」は塩味や甘味などと並ぶ基本味の一つ。一方「うまい」は、味そのものだけでなく人が料理に対して感じるおいしさを指します。
Q.「うま味」ってどんな味?
A.「味の素」それだけを味わったことがありますか?それが「うま味」であり、アミノ酸の一つである「グルタミン酸」の味です。「うま味」だけではおいしいと感じにくいかもしれませんが、塩味や甘味など他の味覚と合わさることでおいしさが作られるのです。
味の素だけ舐めてもおいしくないですよねって書こうとしたらQ&Aにもう書いてありました。
では五味のバランスはどうすればよいのでしょうか。これによって加える調味料が決まります。
ここが料理の難しい、難しく思えるところです。
結論から言ってしまえば、「自炊レベルであればそこまで考える必要はない」が僕の考えです。
煮つけ・照り焼きなどの特定の料理を作りたい!となったら別ですが、五味は基本的に食材に含まれているので、無理やり甘味や酸味を追加して調味する必要はないと考えています。
ただし、「塩味」は食材だけでは足りないことが多いのでそこだけ調整する必要があります。
そのため、基本的に自炊レベルであれば、調味料は「塩・醤油」さえあればおいしいものは作れると考えています。味見をして、塩味が足りないなと思ったら塩、塩味が足りなくて、旨味もちょっと足したいなと思ったら醤油、のように使えばOKです。
卓上調味料を全て倒してしまっても塩さえあればなんとかなります。
ただ、ソースを作るとなると甘味や酸味も調整する必要が出てくるので少し難しいです。これはソース単体でおいしい味を作る必要があるからです。まあ作りたいソースを調べればいいだけではあるのですが…。
だいたいのソースのレシピでは砂糖やはちみつで甘味を追加したり、白ワインや酢、柑橘類、マスタードで酸味を追加したりしていると思います。ソースに野菜を使う場合はたまねぎやトマトなどの野菜で甘味、酸味を補うことが多いです。
余談ですが、五味の相互作用についてはよく言われていて、旨味は塩味の角をとって丸くするので旨味+塩味でおいしく感じるとか、塩味は酸味を抑えて丸くするので酢の物には塩を加えると良いとかはあります。
さらに余談ですが、なぜ旨味だけではおいしいと感じず、そこに塩味が加わるとおいしく感じるのか分子生物学的な背景を調べてみましたが、ヒットせず…。何か知ってる人は教えてください。
以上をまとめると次のようになります。
・グルタミン酸×グアニル酸もしくはグルタミン酸×イノシン酸で旨味を増強できる。
・上記の旨味に加えて塩味を加えることでおいしい味が作れる。
・ソースを作る際は甘味や酸味も調整する必要がある。
1-2.香りについて
香りは料理の方向性を決めるものです。
香草の香りがしたらどこかエスニックな料理だと感じますし、オリーブオイルの風味があると洋風な料理だと感じます。
無理に香りをつけなくても料理は完成しますが、簡単に料理をよりおいしくする手段として香りづけをすることが多々あります。
この料理の香りづけには
・ハーブやニンニクなどの香りの強い食材を使う
・香味油を使う
の二種類があります。
香りづけに特に理由がない料理であれば、基本的には自分の好きなものを使えばよいと思います。ニンニクが好きな人はニンニクを使えばよいし、ごま油の香りが好きな人はごま油を使えばよいです。
料理の方向性という意味で忠実に使うのであれば、中華系にごま油、洋風にニンニクとオリーブオイル、和風ならネギのような薬味という感じですね。自由に使ってよいと思います。
では逆に、香りづけに意味がある料理はどんなものでしょうか。一つはその香りがメインである料理です。前述したエスニック料理なんかはそうですね。たくさん香草をつかってその香りを楽しむ料理です。
まあ、ただ一人暮らしでエスニック料理作る人、なかなかいません。たぶんスパイスカレーに凝った、めんどくさくてモテない人くらいじゃないでしょうか。
その他に香りづけに意味がある料理として上げられるのは肉料理や魚料理です。
というのも、肉や魚には「生臭み」があります。特に魚の方が問題になると思います。
この生臭みの正体は様々ですが、主には「トリメチルアミン」と言われています。
このような生臭みを上から押さえつける、要は嫌なにおいを覆い隠す芳香剤のような役割として香りづけをすることがあります。
よく用いられるのはネギの「硫化アリル」*6や生姜の「ショウガオール」あたりですかね。
ただ、正直ネギや生姜で生臭みを取るといっても、そもそもネギ、生姜の香り自体が好きじゃないって人もいますよね。
そういうときは、香りで覆い隠す方法ではなく、トリメチルアミンを中和する方法を採用すると良いと思います。
トリメチルアミンは塩基なので、酸に対して弱いです。そのため、生臭みを消す方法としてお酢に数十分つけておくとか、柑橘の果汁をしぼるとか、トマト煮込みのような料理をするとかが簡単にできておすすめです。
柑橘の果汁を絞るなんかは料理ができた後でもできるので、なんか生臭いな~ってときにするとよいです。あと柑橘系は香り成分として「リモネン」*7も含まれるので覆い隠すという意味でも優秀かもしれません。
また、魚*8や鶏肉を焼くときに「皮目から焼く」とよく書いてありますが、これも臭い消しが目的の一つです。
臭み成分は皮の下に多く存在していて、そちら側を先に少し長く加熱すると、細胞が破壊されてメイラード反応*9が起きることで、香ばしさが生まれて臭みをマスキングする目的があります。
ただ、他にもいろいろ理由あるみたいです。
少し話がそれてしまいましたが、以上をまとめると次のようになります。
・香りは料理の方向性が決まるが、ある程度は好きなようにしてよい。
・魚の生臭みは香りで覆うか、酸で中和する。
1-3.たまごかけごはんの例
ではここまでの理論を使って「たまごかけごはん」をおいしくすることを考えてみましょう。
基本のたまごかけごはんは「ごはんに溶き卵と醤油をかけたもの」です。
ここでの旨味は生卵と醤油に含まれるグルタミン酸、塩味は醤油です。
まずは旨味の相乗効果を生むためにイノシン酸かグアニル酸を加えましょう。
イノシン酸としては鰹節、グアニル酸としては海苔なんかが上げられます。
また、生卵と醤油だけではグルタミン酸が少ないかもしれないので、味の素や昆布茶を少しだけ振りかけても良いと思います。やったことはないですがチーズなんかも面白そうですよね。
以下のサイトの表がとても便利なので参考にしてみてください。
これで旨味と塩味は十分なので、あとは香りです。
香味程度であればごま油をひと回しいれるのも良いでしょう。海苔との相性も抜群です。
辛いのが好きならラー油とかも面白いですし、グルタミン酸の補強にチーズを振りかけたならオリーブオイルとブラックペッパーでまとめるなんてのもありかもしれません。
こんな感じで足りない要素を補っていけばちょっとしたものでも見違えるほどおいしくなります。
こうやって考えてたらいろいろな組み合わせが考えられてちょっと楽しくなりませんか?
では実際に次の章からは料理をしていくことを踏まえて具体的に考えてみましょう。
2.食材の決め方
さて、では実際に作るとなったらまずはメインとなる食材が必要です。
食材は旨味を考えながら選びますが、さすがに旨味表とか成分表を見ながら選ぶのはなんか嫌ですよね。いちいち調べるのも面倒ですし。
そこで、まずは次のように覚えてください。
グルタミン酸は野菜、イノシン酸は肉・魚、グアニル酸は海苔とキノコ。
基本的にこれでOKです。こう見るとグアニル酸だけ狭いですね。
だから基本的にはグルタミン酸の野菜とイノシン酸の肉・魚を考えます。
さきほどの旨味表で野菜や魚を見ると20~80のように比較的幅があることがわかります。この幅は時期によるものです。一番含有量が多い時がその食材の旬ということになります。
旬の食材がおいしいというのは旨味成分の含有量が多いというカラクリがあったわけですね。
基本的にスーパーには旬のものが並んでいるはずなので、まずはお店に行って何を買うか決めましょう。
2-1.肉・魚
まず料理のメインとなる肉や魚を選びましょう。
もし冷蔵庫に何か余ってるならそれを、何もないならとりあえずその時食べたいものをなんでもいいので買っちゃいましょう。
本当に何でもいいです。例えば、捌けるなら丸の魚でもいいですし、おいしそうな白身の切り身でも、良く売ってある塩鮭でも何でもよいです。肉なら鶏肉でも、豚肉でも、牛肉でも、もっと言えばソーセージやベーコンなんかの加工肉でもいいです。
まあただ、丸の魚を捌くのは面倒だし、鶏むね肉を丸々買うのも嫌なので僕はだいたい切り身とか一口大に切ってある肉を買います。
人によっては「今日は肉・魚じゃなくて野菜が食べたいんだよなぁ」という日もあると思います。そういう時にオススメなのが、ひき肉です。
あと、野菜が食べたいときはしゃぶしゃぶ用の豚肉なんかもおすすめです。
肉・魚が決まったら、次は野菜を決めましょう。
2-2.野菜
肉・魚は何でもよいといいましたが、野菜も実のところなんでもいいです。
ただ、食べたい料理のイメージに合わせて選ぶとより良い組み合わせが選べると思います。
魚であれば、酒蒸しのようにしてキノコと合わせたり、ネギ・たまねぎ・白菜あたりと合わせるとおいしくなると思います。他にも単体で焼いてトマトあたりでソースを作るのもありですね。
トマトソースなら酸味でトマトのホール缶+甘味でたまねぎ+塩(+香味野菜としてセロリ、後述のオレガノあたりを追加しても良い)で十分おいしいものが作れます。
トマトはグルタミン酸を豊富に含む上に酸味もあるので、少ない材料でおいしいソースが作れるのが良いところですね。最近カフェで食べたランチで、豚しゃぶに胡麻だれがかけられていたんですが、胡麻ダレにカットトマトが入っていて、こういうのもありだなぁと思ったりしました。
肉であれば、基本僕はさっぱり食べたいので、肉+野菜をポン酢で食べるみたいなことをよくしますが、鶏もも肉だったら軽い鍋のような感じで食べる、豚バラだったら野菜を肉巻きにして食べる、といったイメージをします。
前者だったら白菜とかと合わせたいし、後者だったら王道だとアスパラガスあたりです。僕のおすすめはナスの肉巻きです。鶏肉なら煮込み系もいいですね。
トマト煮込みは普通においしいし、ホウレンソウやチンゲンサイあたりの葉物野菜と合わせるのもありです。葉物野菜は油との相性も良いです。
選んだのが加工肉であれば、ポトフ系が合うので、ジャガイモや根菜系がおすすめです。
僕はブロックベーコンとカブで和風のポトフを作ってマスタードで食べるのが好きです。
ブロック肉であれば、煮込み料理が基本となると思うので、煮込みに向いている玉ねぎや白菜と合わせると良いと思います。
ブロック肉の煮込み料理は時間はかかりますが放置してるだけでおいしく作れるのでオススメです。ゲームできるし。
ひき肉であれば、味が淡白ながらもしっかりしている野菜がおすすめです。
大根や白菜あたりと合わせると良いと思います。個人的には冬瓜あたりも好きです。
きゅうりなども面白いと思いますが、グルタミン酸の含有量が少なく、野菜の味を引き立てるのがちょっと難しいかもしれません。そういう野菜を使う場合は水の代わりにかつおだしや昆布だしを引いて使うといったことが必要になります。
まあ、必要になるとは書きましたが、かつおだしや昆布だし、その合わせだしは数分あれば引けるのでそこまで身構える必要もありません。
僕はお湯を沸かすケトルに直接昆布を入れて沸かして鰹節を入れたボウルにお湯を注いで数分待つことで合わせだしを引きます
もっと濃い出汁が欲しい時はケトルに出汁パックをいれて沸かすだけです。多分ケトルの使い方としては間違っていますが、とても便利なので重宝しています。
「グルタミン酸の量知りたいけど表にないな」という野菜については次のサイトが便利です。可食部100 [g]あたりのアミノ酸組成を見れば表と対応づけられます。
たとえば、冬瓜は100 [g]あたりグルタミン酸は120 [mg]含まれているそうです。表の他の野菜の値と比較するとかなり多いことがわかります。
2-3.香り/油
ここまでの食材をもとに、どういう香りづけをするか決めましょう。
といってもそこまで気に掛ける必要もありません。
油であれば、サラダ油、オリーブオイル+にんにく、ごま油あたりを雰囲気に合わせて使えばOKです。
臭み消しとしては、あとは生姜とニンニクは生のものとチューブを常備していてもいいかもしれません。あとは、ネギ、パセリあたりがあればもう十分です。
彩りも追加されてよい感じになります。まあ彩りなんぞ一人暮らしの自炊には不要なので、別になくても良いです。好みですが、料理に合わせてレモン、ユズ、かぼすとかもあると良いかも。
この香りの部分は本当に好み次第で、こだわることができる部分でもあります。
例えば、僕はトマトソースを作るときには香りづけとしてオレガノを使います。滅多にないですが、生のオレガノが売ってあるだけで今日はトマト煮込みを作るぞ!!!って気分になります(別にスパイスコーナーにある乾燥のもので十分です)。オレガノとトマトの相性は抜群です。
あと、最近おいしいなと思ったのはニラ+ゴマ油+ミントの炒め物です。
最後の章で紹介する中華系のレシピ本に載っていたレシピで、ミントを炒め物に使うの?!とびっくりしたので食べてみたところ、意外とおいしかったです。
ミントの香りづけをこんな感じで使うのは驚きでした。最近は少しアレンジしてひき肉や豚バラと一緒に炒めて食べています。これも味付けは塩のみ。
慣れてきたらいろいろな香味野菜やハーブ、調味料を取り入れてみると面白いかもしれません。
ここまでの話をまとめると次のようになります。
・メインとなる肉や魚はなんでもよい。食べたいものを選ぶ。
・野菜は肉や魚から料理をイメージして合いそうなものを選ぶ。
・油はサラダ油、オリーブオイル+にんにく、ごま油を使い分ける。
・香りは生姜、にんにくさえあれば最低限なんとかなる。
3.調理法
さて、使う食材が決まりました。
ではこれらを火にかければ料理ができるかというとそんなことはありません。
それぞれの食材にはそれぞれに合った下処理が必要です。これは知らないとしょうがないので、それぞれの食材の下処理について調べましょう。
この章では主な食材の下処理について説明した後、簡単な調理法を記します。
すでに脳内にどのような料理かある程度のイメージがついていると思うので、調理法に関してはそのイメージに合ったものを選んでください。
3-0.下処理
魚・肉
まず、皆さんは肉か魚かを用意しているはずなので、それらの下処理について軽くお伝えします。豚バラ肉なんかは食べやすい大きさに切るくらいなので省略します。
・魚(切り身)
裏表両面に塩*10を振って10分ほど置きます。
ほかの食材の下処理してたら10分くらいすぐ経ちます。魚焼くだけだからほかの下処理もない!って場合はDQM3*11でもやって待ちましょう。
僕はいつも料理の待ち時間で何らかのゲームをしています。
しばらくすると浸透圧や細胞膜の破壊により水が出てくるのでその水をふき取ります。
よく、この水が臭みを含んでいるからふき取るといわれますが、有名なシェフがこの水はふき取らないみたいなことを言っていました。*12
が、その理論がよくわからなかったのとなんか気分的にも嫌なので僕はふき取っています。この塩は塩味をつけるためでもあるので洗ったりはしなくてOKです。
焼く場合はこの後、表面に薄く小麦粉を振ります。これは魚の旨味を閉じ込める役割と、メイラード反応を起こしやすくする役割があります。アクアパッツァのような、焼いた後に水や出汁を加える料理は振らなくても大丈夫です。
・鶏もも/むね肉
ここでは一口サイズに切ってないものを想定しています。面倒なのですでにカットされているものが売ってあるならそっちをオススメします。
まずはよく水気をふき取ります。ここでの水分はドリップと呼ばれていて、鮮度が悪くなった細胞が破壊されて細胞内液が流れ出たものであり、臭みの原因となります。
肉を購入する時はパックにドリップが少ないものを選ぶと鮮度が良いものを選ぶことができます。ちなみに、赤色なのは血の色ではなく、ミオグロビンというタンパク質の色です。
また、ドリップが気持ち悪いからといって鶏肉を水洗いしてはいけません。生肉を洗うとその水しぶきが飛び、サラダなどの生ものや料理を載せるお皿に飛び散ると食中毒を起こす原因となります。
僕はいつもここで一口サイズに切っちゃいますが、更に次のような下処理をしてから一口サイズにした方が臭みや脂っこさが抑えられて味がしみ込みやすくなります。
①黄色い脂肪の塊を取り除く。
②白い硬い筋を取り除く。肉の内側に入って取り除きにくい場合は④の操作を行えば断ち切られるので気にしなくてよい。
③余分な脂身を取り除く。
④2 [cm]程度の幅で切れ込みを入れる。
一口サイズに切らず、丸々使いたい場合は厚い部分に包丁を入れて厚さを均一にすると熱が通りやすくなります。鳥ハムとかを作りたい場合はこれだけでもやったほうが良いかもしれません。
最後に、作る料理によりますが、基本的には下味をつけるために塩を軽く振りましょう。
・豚/牛ブロック肉
下処理はほぼいらないです。作る料理によっては、オリーブオイルとニンニク、塩でマリネして数十分-数時間置いたり、下茹でして脂抜きしたりしますが、それはレシピに応じて変えましょう。調べれば出てくると思います。
野菜
次に野菜の下処理をします。だいたいの野菜は皮むいて食べやすいサイズに切るくらいで大丈夫なんですが、ここでは下処理をしないとおいしく食べることができない野菜を一部紹介します。買ってきた野菜について一応下処理を調べると良いです。
・きゅうり
塩を振って板摺りをする。
板摺りすることで表面のトゲを取り除いて口当たりを良くします。
・ゴーヤ
半分に切り、中のワタをスプーンで掻き出す。食べやすい大きさに切った後、塩もみをする。
塩もみをすることで苦みが抑えられます。僕はゴーヤの食感が好きなんですが苦いのが苦手なので、薄く切ったり、塩もみ後にゆでることでさらに苦みを抑えています。
・アスパラガス
根元の硬い部分を切り落とし、そこから数センチの硬い皮をピーラーなどで剥いて筋を取り除く。
これをしないと食べたときに硬い部分が嚙み切れずに口に残ります。
・セロリ
葉の部分と茎の部分を分け、茎に通っている筋を根元から取り除く。ピーラーなどで皮ごと取り除いても良い。
これをしないと食べたときにアスパラと同様で硬い筋が口に残ります。
・冬瓜
半分に切り、中のワタをスプーンで掻き出す。皮の下の薄緑色の層が少し残る程度に皮をむき、食べやすい大きさに切る。沸騰したお湯に塩を少量加え、冬瓜を入れて5分程度下茹でをする。
下茹では面倒ですが、しないと青臭さが取れません。僕は下茹でするのを知らずに一度失敗しました。
他にも大根はあらかじめ米のとぎ汁で煮ることでシュウ酸を中和して取り除き、体内に入ってシュウ酸カルシウム*13*14になるのを防ぐなどいろいろありますが、やらなくても別においしいのでここには書いていません。
さて、下準備が終われば後は火を通すだけです。
といっても色々な火の通し方がありますが、イメージがあればその通りに調理していきましょう。わからないときは調べるといいと思います。
ここでは食材の旨味を簡単に引き出せる「蒸す」行為についていくつか紹介します。
3-1.蒸し煮
蒸し煮とは、水を全く加えなかったり少量の水を足したりするだけで、残りは野菜の水分だけで蒸す手法です。余分な水を加えないので旨味や栄養が濃縮されます。
白菜などの水分を多分に含んだ野菜の調理法としておすすめです。
ポイントとしては火にかけたら基本的に触らず、鍋に蓋をして弱火~弱い中火でじっくりと火を通すことです。強火だと表面だけ温度が高くなってしまい、表面が焦げてしまいます*15。
3-2.オイル煮
ここでのオイル煮とは、アヒージョやコンフィを指すわけではありません。蒸し煮の派生形だと考えてもらえるとわかりやすいかもしれません。
オイル煮の蒸し煮との大きな違いは、水分を含んでいるものの、白菜や大根ほどはないような茎の太い青菜(例えばほうれん草や青梗菜など)が向いている点です。
青菜+じゃがいも、玉ねぎなどを鍋に加えて塩と多めの油*16をその後に加えます。
あとは蒸し煮と同じで鍋に蓋をして弱火~弱い中火でじっくりと20分以上火を通します。
茎の太い青菜は水分を含んでいますが、蒸し煮では出てくる水分量に対して蒸発量の割合が多いので、蒸すことが難しくなります。そこで多めの油で表面をコーティングすることで蒸発量を抑え、蒸すことができます。
塩で調味してクタクタになった青菜をスープのように食べるとおいしいです。輪切りにしたウインナーとかが合います。
3-3.ホイル焼き
これも「焼き」と言っていますが要は食材の水分を用いて蒸す手法です。しかし、蒸し煮やオイル煮と異なる点は水分のメインとなる食材が肉や魚である点です。
アルミホイルに油を敷き、少量の野菜と下処理を施した肉、魚をくわえ、少量の酒、塩、必要に応じて追加で油(バターやオリーブオイル、ごま油など)を回します。アルミホイルの口を閉じてグリルなどで加熱します。だいたい10~20分程度で火が入ります。
もしグリルが家にない場合は、水を入れたフライパンに口を閉じたアルミホイルを置いてフライパンに蓋をし、弱火で加熱することで代用できます。
ポイントは少量ずつで作ることです。複数枚のアルミホイルと多めの食材を使って大きい塊を作ろうとすると、隙間から蒸気が逃げてうまく火が通りません。
ちなみに、ホイル焼きの良い点は片付けが死ぬほど楽という点です。ほとんど何も汚れないので基本的にはアルミホイルを捨てるだけです。洗い物が少なくて済みます。
こんな感じで洗い物が少なく、簡単に調理できる例としては他には鍋、炊飯器調理、電子レンジ調理などがあります。それぞれ調べればたくさんのレシピが出てくると思うので好みのレシピを探してみてください。
4.その他
4-1.SNSレシピ
さて、自炊の醍醐味といえば自分で食べたいものを作れることですよね。
僕は「ゴーヤチャンプルーが無性に食べたい!」とか「今日は寒いから鍋が食べたい」とか思うことがよくあります。
そして、無性に食べたくなるものといえば、やっぱり「X(旧Twitter)やInstagram、Youtube shortなんかで流れてきたもの」ですよね。
なんであんなに食べたくなるんでしょうね。だいたいああいうのはレシピも一緒に流れてくるのでそのまま作るだけです。基本的に大さじn杯とかは目分量でいいと思います。いちいち計るの面倒だし。
有名どころですが、自炊に嬉しいレシピをよくあげているのは「料理研究家リュウジ」さんじゃないでしょうか。
やはり、比較的簡単にできるレシピがたくさんあるのはうれしいですよね。
ここでは僕が最近作ったX(旧Twitter)やyoutube shortsで出てきたレシピを紹介します。
個人的な意見ですがガチで鶏の唐揚げを超えたと思ってます
— だれウマ/『宇宙一ずぼら150円めし』即重版! (@muscle1046) 2023年11月15日
【豚キムチ唐揚げ】
包丁とまな板要らずで揉み込んで揚げるだけ!
豚こま肉とキムチで唐揚げを作ると驚くほど美味しくなります。
しかもめっっっちゃジューシーで肉汁がヤバい
騙されたと思って試してみてください。
騙されないですから pic.twitter.com/Wrm2EGX5rv
揚げ物は少し抵抗がありますが、おいしそうだったので作りました。確かにおいしかったですが、ちょっと飽きる味でした。
カブのすりおろしをポン酢に入れたもの*17を作って味変したらめちゃくちゃおいしかったです。
「梅干しヨーグルト、しめ鯖」
— 今井真実 料理家 (@mamiimai_gohan) 2023年5月24日
梅干しを潰してギリシャヨーグルトとよく混ぜる。
しめ鯖の上に乗せて、ディル。塩味のついているサワークリームのような味わい。
フライドポテトとかも合う。
バルサミコ酢、オリーブオイル、はちみつ、塩で煮たナスにもぴったり!
とろなすジューシーの応用です。 pic.twitter.com/OpWwfBMPnT
梅干しとヨーグルト?!味の想像がつかなさ過ぎるし超簡単にできるので即作りました。なるほど、本当にサワークリームの味だ。
おいしくて何回か作ったんですが、高い梅干しで減塩などをしていないものを使った方がうまくいくみたいです。高くて香りが良いものを使った方が魚やヨーグルト特有の臭みが消える気がします。
骨付き肉を水に入れて蒸して放置するだけ。簡単すぎますね。
しかもめちゃくちゃおいしかったです。待ち時間が少し長いですが、ゲームしてれば一瞬です。これは何回も作りたくなる味でした。
最後に面白かったツイートを貼っておきます。
どれだけ泣いたって構わない pic.twitter.com/XBpPEK9Qsi
— ぷりみ (@purimi_chandau) 2023年12月8日
皆さんも簡単でおいしそうなものを見かけたらまずは作ってみてはいかがでしょうか。
4-2.お惣菜アレンジレシピ
めちゃくちゃ疲れてるけど外食するにはもう時間が遅いから開いているお店も近所にはない。スーパーは開いてるけど作るのは面倒…なんてことありませんか?
そんな時にスーパーのお惣菜が便利です。スーパーのお惣菜は馬鹿にならないくらい手が込んでいるものがあります。特に揚げ物なんかは自分で調理するのは面倒なので、積極的に買っても良いと思います。
そのままでもおいしいのですが、さらに手を加えることでお惣菜とは思えないような料理に変身します。僕は、サルサソースを作って温めた揚げ物にかけて食べるのをよくやります。
参考にしたのはこのツイート。だいぶ前に見かけてそこから定期的に作っています。
揚げ物なら割となんでも合います。
買ってきたお惣菜・ロースカツをアレンジするなら「サルサソースのせ」がおすすめ。サルサは大トマト1個角切り、玉ねぎ1/4個のみじん切り、オリーブオイル大さじ1、レモン汁小さじ1、塩ひとつまみ全部混ぜるだけ!お客さん料理にも喜ばれる。これからの季節にぴったりです #料理を手間抜きに #PR #西友 pic.twitter.com/Udo5VhZnaE
— 山口祐加@自炊料理家 新刊『自分のために料理を作る 自炊からはじまる「ケア」の話 』発売中! (@yucca88) 2020年11月22日
こういうアレンジレシピはスーパーのHPに上がっていたりします。
他にも「惣菜 アレンジ」で検索するといろいろ出てきます。
何作るか悩んだときとか、お惣菜コーナーを見て「これアレンジできそうだな…」なんてのがあったら献立が決まるかもしれません。
4-3.調味料レシピ
最近は食品メーカーの企業努力もすさまじく、たった一つの調味料だけでおいしい料理が作れたりします。調味料一つに旨味、塩味、酸味、甘味(たまに苦み)が補完されていて、それと肉があればメイン料理ができちゃうのもザラにあります。
というわけで、僕が疲れた時によく作る調味料だけのレシピの一例を挙げておきます。
・鶏のさっぱり煮
何この簡単さ。味ぽんと水を1:1で鍋に加えて手羽元を15分煮込むだけです。僕はよく生姜とニンニクも入れますが、ホームページのレシピにはそういうのも不要らしいです。
また手羽元じゃなくて普通の鶏もも肉とかでもよく作りますが、普通に美味しいです。
懸念としてはこれ一つ作るのに味ぽんを瓶*18の半分くらい消費するので、その量を鍋に入れるときにちょっと気が引けるくらいですかね。
・チキンの甘酢照り焼き
言われてみればこれもミツカンですね。お酢だけで照り焼きができるのすごい。「普通のお酢」*19ではこうはいきません。
このレシピに載ってる「カンタン酢 レモン」が前々から使ってみたいと思ってるのですが、僕の家の近くのスーパーに並んでいるところを見たことがありません。実在するんですか?
こんな感じで調味料を出している食品メーカーのホームページにはだいたいこれ一つで!みたいなレシピがたくさん載っているので、参考にするといいと思います。
クックパッドとかクラシルとかよりも信用できる気がするんですが、各食品メーカーのホームページにレシピがたくさん載ってること、あんまり知名度ないですよね。
あと、キンピラとか煮つけとか名のついた料理を作るときはりょうゆ、みりん、酒なんかの複数の調味料を加える必要がありますよね。
その時の割合さえ知っていればそれっぽい味を作れるので何か料理を作るたびにメモでもしておくと良いと思います。
X(旧Twitter)に便利なのが転がってたので共有しておきます。僕が作るときと違うのもありますが、まあそういうのは誤差です。
今日何作ろう?って時、調味料何をどの位使えば良いのか忘れちゃうからまとめてみた📝 pic.twitter.com/KjM3y9OfDe
— かいいま🤗 (@piyopiyobiyou) 2023年11月26日
5.おすすめ料理本
レシピサイトも便利ですが、たくさんあって何を作るか迷いますよね。そんなときに料理本があると便利です。
サイトほどは多くなく、パラパラ眺めて「この材料あるから全然作れるな…」となればもうその日の夕食は決まりです。
また、旬の野菜に沿っている料理本も多数存在しているので「今の旬は…」とかを考えなくてもおいしいものが作れます。
レシピ以外にも、著者の考え方とか体験談とか調理器具紹介だとかも載っていてそういうのを見るのも面白いです。
僕が持っている中で特にオススメの料理本を貼っておきます。
僕の自炊の原点です。書店やスーパーなどにも売ってあるので手に入りやすいと思います。その月の旬の食材をメインに様々な料理が載っているのでオススメです。
ただし、一晩置くだとか、三時間待つだとか、少々面倒なレシピもあるので、そこらへんはうまく選びましょう。まあ三時間くらいならゲームしていればすぐ経ちますが…。
・スープ・レッスン/スープ・レッスン2
調味料は塩だけでよいと気づかせてくれた本です。
塩だけなのにこんなにうまいの?野菜うますぎだろってびっくりします。全部レシピがシンプルなのも良い。超おすすめです。
また、著者の有賀さんはスープをX(旧Twitter)にアップされていたり、noteにレシピを公開されていたりするのでそちらを見てから購入を検討しても良いかもしれません。
この間、スーパー行ったら大きいおいしそうなカブが売ってあったのと、鶏肉が安かったのでその二つで煮物みたいに白だしで味付けしたものを作ったんですが、その3日後くらいにこういうのがアップされていて少し怖かったです。僕は面倒なので片栗粉は使っていませんでしたが。
鶏はしっとり、かぶはほっこり。今日みたいな日にぴったりの体があたたまるスープです。味つけは白だしをベースにして手軽に。
— 有賀 薫 (@kaorun6) 2023年11月14日
やわらかさ最上級、かぶと鶏肉のやさしいスープ|有賀 薫 @kaorun6 https://t.co/wj8Fbws2cU #note pic.twitter.com/HIHKu00TrH
・あたらしい家中華
こちらは今年の10月に出版された割と新しい料理本です。
これも少ない材料・少ない調味料でおいしい家庭的な中華料理が作れるのでオススメです。本文に登場したニラ+ミントの炒め物はこの中に出てきました。
一部レシピに紹興酒が材料にあるのでこの本を買う際には用意しておくと良いかもしれません。
・旬とスパイス
こちらは料理本ではなくnoteですが、とても参考になるので載せておきます。
スパイスメーカーのエスビー食品と料理研究家の今井真美さんのコラボnoteで、一周年連載されています。
いろいろなスパイス・ハーブの使い方がされていて、しかもどれもおいしくて割と簡単にできるものばかりなのでよく参考にしています。
また、今井さんもX(旧Twitter)でレシピを公開されていたりするのでフォローしておくと良いかもしれません。
↓最近おいしそうだなと思ったやつ
「柿オリーブモッツァレラ」
— 今井真実 料理家 (@mamiimai_gohan) 2023年11月10日
騙されたと思って作ってほしい、大のお気に入りレシピです🥰
4枚目の写真、まるでおにぎり!
柿
モッツァレラチーズ
オリーブオイル
グリーンオリーブ
黒こしょう…
塩…ひとつまみ
⁰焼き海苔…適量(あれば)
レシピはこちら→ pic.twitter.com/udbNOYkJwv
おいしそうだったのと簡単に作れそうだったのでやってみました。
めちゃくちゃおいしかったです。
この記事を読んだ人なら、なんで焼き海苔なのかがわかると思います。
6.おわりに
いかがでしたか?*20
途中で「これ、全部書いてたら一生かかるな」と思って、加熱法などは「蒸す」だけにフォーカスを当てたりして他の操作を省略して書きましたが、本当はまだ書きたいことがあります。
もし時間があれば実践編なんかを追記するor自分のブログを書くかもしれません。
それでも長い記事になってしまいましたが、この記事が自炊を始めるきっかけや今後の自炊の足しになれば幸いです。
それでは、素敵な自炊ライフを~!
*1:Dr.ロウは博士課程までアナビに属している老害を揶揄した言葉ではない。
*2:現在東大院薬学系研究科所属で、生体分子、特にタンパク質の立体構造の解析を専門にしてます。
*3:有名どころだとベニテングタケのイボテン酸とか、貝類に含まれるコハク酸とかがこれにあたります。
*4:具体的には食べ物を食べるとその口の中での濃度が下がります。そうしてグルタミン酸濃度がある一定値(解離定数Kdと言います)に達するとほとんどが離れている状態になります。
*5:グルタミン酸ナトリウムの結晶。適切に使えば爆ウマレシピを作れます。よく自然派(笑)みたいな人が化学調味料は…とか言ってますが、適量であれば(あの瓶を2つくらい一気に加えるようなことさえしなければ)体に害はないです。というか化学調味料は…とかいう人は酵母エキスとかアミノ酸とかが原材料に書かれているもの全部避けてるんですかね。
*6:ちなみに、玉ねぎを切って涙が出るのは硫化アリルが気化するからです。また、逆にネギとかの青臭い匂いが気になるときはこいつが原因です。こいつもトリメチルアミンと同様に塩基性なので酸をぶつけてやれば匂いが消えます。
*7:高校化学の構造決定で東大模試とか東大の過去問とか何度も出てきた記憶があります。
*8:海の魚は皮が薄いがちなのと、皮の下に脂があるので皮目から焼くと焦げてしまうから「身から焼く」のが良いとなどと言われています。が、有名なシェフがスズギやらマダイやらの切り身を皮目から焼いているのを見て以降、使い分けるのも面倒なので魚は全部皮目から焼くようにしてます。
【シェフの魚料理】元祖!名物料理「アクアパッツァ」を簡単に切り身魚で作る方法をご紹介します! - YouTube
*9:細胞内に存在していたアミノ酸が加熱されて分解、酸化、縮合など様々な化学反応を起こし、メラノイジンという褐色物質が生成される反応です。味噌や醤油の色もこのメラノイジン由来です。
*10:全体の重量の2-3%。味つけを兼ねないのであれば全体の1%と言われています。
*11:ドラゴンクエストモンスターズ3。12月1日に発売されました。めちゃくちゃ面白いです。育成ゲームが好きな人はドラクエモンスターズシリーズめちゃくちゃ好きだと思います。25周年です。
*12:
必見!ミシュラン三ツ星「菊乃井」村田シェフが家庭で作れるお料理を伝授!|鯛のみぞれうどん - YouTube
塩を振ってイノシン酸が凝縮されるのは余分な水分が抜けるからだと思うのですが、塩を振ると細胞膜が破壊されてかまぼこのような状態になるからイノシン酸が凝縮されると言っていてよく分かりませんでした。ここで言うかまぼこのような状態ってなんですかね。鬆が入った状態という意味ならやっぱり水分が抜けるからじゃないですか?
*13:不溶性の塩で、一応尿路結石などの原因になります。シュウ酸自体は可溶性なので大量の水で茹でると取り除けますが、煮物とかだと結局溶けだした先も摂取しちゃうので意味がないです。そこまで気にすることもないと思いますが、すでに結石などで悩んでる人は大根やホウレン草などシュウ酸を比較的多く含む食材は避けると良いかもしれません。
*14:シュウ酸カルシウム自体を多量に含むものは基本的に毒とされています。サトイモやナガイモなんかで手がかゆくなったり喉がイガイガしたりするのもこいつが少量含まれているのが原因です。シュウ酸カルシウムは結晶が針のように鋭いので、その小さい針が手のひらや喉に刺さってかゆみや痛みを生じます。毒草とされているマムシグサやクワズイモ、コンニャクイモなどはシュウ酸カルシウムを多量に含んでおり、食べると喉にたくさんの針が刺さることで呼吸困難に至って死にます。
*15:料理できないあるあるとして「強火を使いがち」がありますが、基本的に強火は中華料理なんかでサッと炒めるときにしか使いません。だいたい弱火~中火でOK。
*16:ごま油だと香りが強くなりすぎるのでオリーブオイルやサラダ油がおすすめです。
*17:なんでカブ?大根じゃないの?と思うかもしれませんが、このポン酢が好きで、参考にして作ってみました。カブを皮付きのまますりおろしてポン酢に投入します。柑橘を絞った醤油を加えるのもgoodです。
創味 聖護院かぶらのもみじおろしぽん酢 550g | 創味食品公式オンラインショップ
*18:最近はプラスチック容器に変わってきましたね。
*19:
https://twitter.com/macross4744/status/1730789770195005442
*20:一度は記事で書いてみたいセリフだ。